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考えるための本

  • 川満信一、仲里効編: 琉球共和社会憲法の潜勢力-群島・アジア・越境の思想
     混沌としている状況だからこそ読まれるべき一冊。
  • 吉田敏浩、新原昭治、末浪靖司: 検証・法治国家崩壊ー砂川裁判と日米密約交渉
     今日の米日関係が米日トップの共犯関係で作られて来たことを歴史的に明らかにし、世に問うた力作。米国の核の傘の下に、私達は居続けるのか?
  • ジョン・W.ダワー: アメリカ 暴力の世紀-第2次世界大戦以降の戦争とテロ
    アメリカという国が如何に暴力にまみれた国であるかを示す好著。正規軍による戦争ばかりか、様々な謀略活動が表の顔の裏側に張り付いている。私達はこの国と如何に付き合うべきか?
  • 下嶋 哲朗: いま、松下竜一を読む――やさしさは強靭な抵抗力となりうるか

    下嶋 哲朗: いま、松下竜一を読む――やさしさは強靭な抵抗力となりうるか
    沖縄本の著作も多い下嶋さんが松下竜一さんの著作・生き方から考える視点を提示している。弱者でありながら強く生きることは可能なのか。

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2019年5月 4日 (土)

憲法記念日を佐喜眞美術館で過ごす(190503)

 昨日2019年5月3日、私は宜野湾市上原にある佐喜眞美術館に行き、じっくりと展示を見てきた。この美術館は、丸木位里・丸木俊さんの『沖縄戦の図』が常設展示されている。何しろ普天間基地の一部を返させて、1994年に建設されたものだ。私は1995年以降、東京~沖縄に通う度に訪れてきた場所であり、私の「沖縄30年史」に欠かせないポイントだ。

 今は『沖縄を描いた画家たち 2019年展』が開催されている。本展について、先日沖縄タイムスに出ていた印象もあり、普天間基地の撮影と併せて行ったのだ。

 25名の作家の作品が42点。1935年から現代までの作品が並ぶ。絵画、彫刻、織物(紅型)、様々な作品が、沖縄を現していた。私が印象深く見たものはいくつもあった。中でも、中島イソ子さんの『メガネをもつ自画像』はじーっと見つめる視線が混沌を越えるべくまっすぐで、印象深かった。山城見信さんの作品は抽象画で、お見事だ。凝縮された画家の視線は抽象を超えている。沖縄の内側に生きてきた彼の想念が絵画に仕上がっている。どうやったらこうできるのだろうか。今回の展示のメインの作品は、与那覇大智さんの『HOME-HENOKO-INVICTUS』だ。2018年12月14日に始まった辺野古への埋立て工事への怒りが悔しさが希望が絶妙なタッチで描きこまれている。これも抽象画だが、抽象画でなければ表せない強さをもつ。作者は若い画家だというから、その意味でも希望を感じる。名護朝和さんの『緑の上に青の中に』は淡い緑と青を基調としたものだが、数え切れないほどの格子の紋が描かれている。囚われた沖縄なのか。理屈はともかく、美術というものには、美が貫かれており、人々の視線を引きこむことができる。仲地華さんの『深呼吸』は海底の水を捉えているのだが、独特の神秘が満ちている。海水を使っているとのことだが、どのように海水の効果が出ているのだろうか。いささか不思議な1枚でもある。

 私はフォトグラファーだから、「ぬじゅん」の写真家達が写した沖縄の基地問題の写真群に目を奪われた。現代の辺野古の闘いの写真が一見、雑然と張られているのだが、1970年のコザ暴動の写真(モノクロ)等も挟まれており、時空を越えた現実は衝撃的だった。この手法を私もどこかで使いたいと、唸ってしまった。

 敢えて言うが、憲法記念日(この日に限らないが)に美術作品を媒介に自分と向き合うことは、事の原点ではないか。憲法を奪われた沖縄は、1972年5月15日以降の47年の今日も、米日安保条約と米日地位協定によって、憲法は何処にあるのかの状態が続いている。そもそも沖縄のどこに立憲主義があったのか、あるのか?! 真剣に考えなければなるまい。

 正に時代は混沌としている。この混沌を乗越えるためには、「憲法を守ろう!」ではかなわないのだ。私はこう確信している。無論、統一スローガンを無意味だというのではない。これだけでは決定的に足りないといっているのだ。

 そういえば、東京の憲法集会のホームページに沖縄の動画が挟まれており、佐喜眞道夫館長が出ていた。この偶然に、私は驚かされた。この中で、彼は「戦争をなくす」の一言を発していた。この思いの中にどれだけのことが詰まっているのだろうか。大智さんの作品もそうだが、涙ナシに観れない、語れないものだ。私たちは、美術と政治を巡る感覚と理屈を共に、多面的に刻みこんでいかなければなるまい。

 同展は2019年6月30日まで。同館は火曜定休。沖縄県内外の人たちに、ぜひとも訪れていただきたい。『沖縄戦の図』も必見です。

 行かれる方は以下を参照されたい。

 http://sakima.jp/

 

 

 

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