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    下嶋 哲朗: いま、松下竜一を読む――やさしさは強靭な抵抗力となりうるか
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2019年5月28日 (火)

与那国島に自衛隊基地が造られて(「人民新聞」190525号)

〇以下の文は、「人民新聞」(190525)に依頼されて書いたもの。字数の都合などで突っ込み不足だが、私の問題意識は分かりやすく描けているはずだ。

 なお、「週刊金曜日」の最新号は「南西諸島問題」を特集している。併せて読まれたい。(ヤマヒデ)

         

                             山本英夫(フォトグラファー/名護市在住)

1:与那国島に何故注目したか

 私が与那国島に初めて訪ねたのは2011年6月のことだ。日本政府が琉球諸島の島々に自衛隊基地を造ろうとしていることを知ったからだ。これは沖縄島の辺野古・大浦湾への新基地建設と重なると私は直感していた。

 当時、日米政府の新基地建設への掛け声は消えていなかったが、2006年の「グアム再編」(沖縄の海兵隊の約3分の2をグアムへ再配置)を合意していた。今更何故新基地を造るのか、意味不明だった。そんな2010年末、民主党政権は新たな防衛計画大綱を策定した。従来の「基盤的防衛力構想」を廃止し、「動的防衛力」を打ち出した。そこに「島嶼防衛」が出てきた。これまでの防衛計画大綱は、米ソの「東西対立」のバランスを補完する「基盤的防衛力構想」を維持してきたが、91年のソ連崩壊後、世界は米国の1強態勢となった。日本国は、より具体的な軍事力を構築することを露にしてきた。

 安倍政権は、2013年末、新たな防衛計画大綱を策定した。「(陸海空3軍の)統合防衛力構想」であり、「島嶼防衛」、「島嶼部に対する攻撃への対応」を明示し、中期防(5年計画)に「与那国沿岸監視隊」の新設が打ち出された。

 こうして私の与那国通いが重ねられていく。与那国島の人々は果敢に町長選や住民投票を闘ったものの、容認派・推進派が多数を制していく。遂に2016年3月28日、「与那国沿岸監視隊」が新編されてしまった。

 2:与那国島の軍事的な価値?

  与那国島は日本領土の最西端に位置している。台湾まで約110km、中国の福州まで約400kmだ。「島嶼防衛」「琉球諸島防衛」の西方、北西への切っ先となり、小さいながらも飛行場(1500m)も港もある。島は東西に約11km、南北に6km(以下)であり、自衛隊員が入ってきた現在、人口は1700名余りだ。この島は海に囲まれ、低い山・森が覆い、農耕地が広がっている。小さな島だが自然は今でも豊かだ。軍事を価値付ける人々には、レーダーを設置する高台や台地状に広がる裾野があり、いざとなれば、壕に篭って戦争できると見ているのだろう。住民も少なく、篭絡しやすいと見たかもしれない。

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西崎(いりざき)から久部良港を眺める。丁度、石垣島に向かうフェリーがでるところ。久部良集落の右上の丘にアンテナと制御室がる。(190508)

 

 ここに自衛隊の沿岸監視隊がきた。これは国後島を挟む標津(しべつ)と、サハリンを挟む稚内にあるだけだ。この二つはソ連・ロシアの動向監視部隊だ。与那国島に新設したのは、中国、台湾を睨むことになる。与那国島の沿岸監視隊は約160名と公表されているが、約50名の警備隊(歩兵)が含まれる。情報保全隊も若干名いるとの見方もある。駐屯地は島の西にある久部良(くぶら)集落を見下ろす高台とその南に広がる旧南牧場に造られた。またアンテナ群は久部良の高台と、そこから東に約4kmのインビ岳中腹に建てられた。

3:そして今

 先日私は久しぶりに与那国島に出かけた。基地建設の建設ラッシュも終わり、静けさが戻っていた。だが如何なる電波情報を集めているのか、見えないだけに不気味だ。ここから防衛省に米国ペンタゴンに瞬時に繋がっている。安倍政権は、琉球諸島の石垣島、宮古島、沖縄島、馬毛島を軍事拠点化し、島々を繋ぎ合わせていく。何しろ、安倍政権は、軍事緊張を煽れば煽るほど、軍事力増強の動きを加速できるようだ。だからこそ私たちは、島民と共に美ら島を戦場に差し出さない働きかけを絶やさず強化しなければならない。私たちの想像力が厳しく問われている。

 

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