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考えるための本

  • 川満信一、仲里効編: 琉球共和社会憲法の潜勢力-群島・アジア・越境の思想
     混沌としている状況だからこそ読まれるべき一冊。
  • 吉田敏浩、新原昭治、末浪靖司: 検証・法治国家崩壊ー砂川裁判と日米密約交渉
     今日の米日関係が米日トップの共犯関係で作られて来たことを歴史的に明らかにし、世に問うた力作。米国の核の傘の下に、私達は居続けるのか?
  • ジョン・W.ダワー: アメリカ 暴力の世紀-第2次世界大戦以降の戦争とテロ
    アメリカという国が如何に暴力にまみれた国であるかを示す好著。正規軍による戦争ばかりか、様々な謀略活動が表の顔の裏側に張り付いている。私達はこの国と如何に付き合うべきか?
  • 下嶋 哲朗: いま、松下竜一を読む――やさしさは強靭な抵抗力となりうるか

    下嶋 哲朗: いま、松下竜一を読む――やさしさは強靭な抵抗力となりうるか
    沖縄本の著作も多い下嶋さんが松下竜一さんの著作・生き方から考える視点を提示している。弱者でありながら強く生きることは可能なのか。

カテゴリー「書評等」の記事

2019年5月17日 (金)

「戦争する国のつくり方ー『戦前』をくり返させないために」をどう読むか

 私は2013年の夏から、「このままいったら、戦前に戻ってしまう」と警告してきた。益々その思いを強くしている今日この頃だ。

 そんなわけで、この本を読んでみた。「戦争する国のつくり方ー『戦前』をくり返さないために」編著者は海渡雄一さん。東京共同法律事務所の企画だ。彩流社刊。2017年5月刊

 第1章「悲劇は繰返す」。安倍政権の一貫した戦争準備を描いているのだ。それを戦前の150年史(正確には2017年刊なので、149年史)をダブらせて明らかにしている。著者は歴史学者じゃないので、荒削りだが、ズバリと来る。

 第2章「政府への抵抗勢力の一掃を狙う『治安維持法』と『共謀罪』」。うそと言うなかれ。こんなことが目前に迫っているのだ。第3章「戦争を準備する要となる秘密保護制度」。ズバリその通り。第4章「戦争は情報と報道の操作から生まれる」。謀略が既成事実化していく。今正にその下準備が進行中だ。ごまかしとうそがはびこり、民間からもファクト情報が垂れ流される。第5章「隣組から全面盗聴へー監視社会の本質」。「とんとんとんからり」の隣組の歌を私も知っている。スノーデンが暴露した全面盗聴のすさまじさ。どうにもならないがゆえの対策が必要だ。第6章「総力戦を支える総動員体制」。ナチスの授権法と緊急事態条項。こうなってから騒いでもあとの祭りだ。第7章「太平洋戦争の道は避けられたのか」。30年代に仕掛けられた戦争への道は41年に後戻りできなくなっていた。第8章「日本を戦争する国としないために私たちは何をなすべきか」。短いが重たい数々の提起。

 つくづく思う。アホは繰返される。もはやどうにもとまらないのか。止めるためには何が必要か。「戦争する心」を止める、変えることができるのか。言葉が軽くなっている。丸山穂高議員もそうだが、国会議員の言葉は皆軽い。何気にさり気に戦争への道が掃き清められている。

 止めるためには、地理的連携、戦略的連携が不可欠だ。お互いに場所は異なっていても支えあおう。官邸に切り込む望月記者や気骨あるジャーナリストを。沖縄島と八重山・宮古と繋がろう。米日権力は、あちこちがつながっているのに、こちらが切断されたままでは勝てない。政経中枢の東京を打て! そこの視点を持たないとダメだ。

 9条改憲阻止の一点主義でいいのか? ダメだ。何故か。ここに集約されてしまうと、一人ひとりの主題が抜け落ちてしまう。自分の課題を追求しなければ、わがことにならぬ。

 安倍が侮れないのはこういうことなのだ。2012年の自民党改憲案を下げてこちらにした。様々な問題を一旦回避して、一点突破全面展開へ。だが緊急事態条項の問題は各地で起こりうることと重なる。心せよ。

2018年9月18日 (火)

 翁長雄志知事と歩んできた軌跡を想起する書

 翁長雄志知事と歩んできた軌跡を想起する書-「沖縄県知事 翁長雄志の『言葉』」 

  本書は沖縄タイムス編・刊(2018年9月刊)であり、新聞社でなければ不可能な時宜を得た出版物となった。さすがである。私が本書のタイトルを知り、予想していたものは、もっと厚みのあるものだった。現物を見たら、思いのほかコンパクトであり、言葉は簡潔に要を得たものだった。

 2013年1月の「沖縄県民はめざめた」から始まっている。オスプレイ反対行動の際のひとことだ。次が14年11月1日の「県民は絶対にぶれていないことを見せつけよう。ありとあらゆる手段で辺野古新基地は造らせない。全力で頑張る」。

 この2年近くの軌跡こそ、私たちが共に歩んできたものではなかったのか。「沖縄の主張は世界に通用する。本当の民主主義とは何か、沖縄から発信していく」(14年11月19日)にまとめられていく。そして「戦後69年間、過重な基地負担に苦しむ沖縄が対案を考えなければならないのは大変理不尽。」(14年12月16日)と簡潔な言葉の中に決意が漲っている。

 状況の変化の中で言葉は変わるが、彼の政治信条・信念はぶれていない。「本土並みを合言葉に 県民の努力で勝ち取った復帰だったが、真の民主主義の実現など 県民の強く望んできた形になっていない」(15年5月15日)などと沖縄の歩みをバックにまっすぐに語っている。また「あれだけの権力に脅迫され、それでも突っぱねられたのか。同じウチナーンチュとして、『自主的に提供した』と言われた人の気持ちも考えてほしい」と県民への寄り添い方も半端でない。政府に対して「県民の気持ちには魂の飢餓感があり、それに理解がなければ個別の問題は難しいと話した」(15年8月11日)。さらに「『日本を取り戻す』と言う中に 沖縄は入っているんですか」(15年9月8日)。

 本書の彼の最後の言葉は、「全ての責任を持ち自分の決断の下で撤回をする」(18年7月27日)。壮絶な決意を持っていたことが分かる。翁長さんの遺志を私たちは引き継げるのか否かが問われているのだ。それが今次県知事選にかかっている。

 本書の最後に「知事・官房長官会談 冒頭発言全文」(15年4月5日)、「県民大会挨拶全文」(15年5月17日)、「代執行訴訟意見陳述全文」(15年12月2日)が載っているのも翁長知事と私たちの歩みを考え直すのに大いに参考になる。沖縄があらたな歴史を生み出していく際に、私たちが、本書をもてたことは幸いだ。私も沖縄の歩みを振り返る作業を行いながら、前に出るために全力を尽くしたい。

 皆さんも本書を読み込みながら、共に沖縄の歩みを作り出していこう。(18年9月18日)

 

 

 

 

 

 

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